2000年代のビョーク

00年代のアルバムは、「Vespertine」(ヴェスパタイン)、「Medúlla」(メダラ)、「Volta」(ヴォルタ)の3枚です。それぞれの作品にしっかりした個性があり、PVや衣装も派手になっていきます。

2001年

ビョークのアルバム「Vespertine」(ヴェスパタイン)
(ヴェスパタイン)
21世紀に入り、第4作目として登場したアルバムです。タイトルは、「(植物が)夕方に咲く」という意味の、マニアックな形容詞です。漢字一文字で表すと、夕顔の「夕」でしょう。ジャケット写真は、白鳥のドレスを着て地面に寝転がっている写真の上に、白鳥のイラストが描いてあります。モノクロで美しいです。なんでこんなに白鳥推しかと言うと、ビョーク的に、このアルバムは白い冬の鳥を連想させたからだそうです。このイメージどおり、細かいサウンドを組み込んだ曲に、ビョークやコーラスの声が合わさって、透明感があって澄んでいる印象が出ています。味で例えると、くどさが無く、さっぱり味でしょう。さっぱり味のビョーク音楽を賞味したい時にオススメです。
ビョークの「Pagan Poetry」のPV
Pagan Poetry (ペイガン・ポエトリー)
このアルバムで一番オススメの曲は、「Pagan Poetry」です。若干浮いて聴こえるぐらい、会心の一撃と言っていい出来になってます。アウトロで無音になってアカペラで歌うくだりは、ドキリとさせられます。タイトルの意味は、「異教徒の詩」です。PVは、ボディピアス・ドレスのビョークが熱唱している映像で、セクシャルな雰囲気があります。
Aurora (オーロラ)
「Aurora」は、オルゴールの「Frosti」がイントロになっている曲で、美しさが感じられます。このアルバムは美しい曲が多く、その他では、「It's Not Up to You」や「Unison」も良いです。
Cocoon (コクーン)
「Cocoon」は、PVがパンチ効いてるので紹介します。全裸&真っ白なビョークの乳首から赤いヒモが伸びていくという、かなりシュールな映像です。最後は赤いヒモに包まれて、繭になります。日本人デザイナーの石岡瑛子が監督していて、白と赤という色の組み合わせがシンプルです。
ビョークの「Cocoon」のPV
1Hidden PlaceSPV
2CocoonSPV
3It's Not Up to You--
4Undo--
5Pagan PoetrySPV
6Frosti--
7Aurora--
8An Echo, A Stain--
9Sun in My Mouth--
10Heirloom--
11Harm of Will--
12Unison--

2004年

ビョークのアルバム「Medúlla」(メダラ)
(メダラ)
1・2作目がポップ寄り、3・4作目がアート寄りと来て、第5作目はかなり実験的なアルバムになりました。歌だけじゃなくて、曲も人間の声でやろうという試みです。一部の曲でほんのちょっと楽器を使ってますが、人間の声のみで構成された野心的な作品になります。ヒューマンビートボックスや聖歌隊など、色んな声が出てくる内容です。タイトルは、ラテン語で「髄」という意味です。色んなものを削ぎ落として残った、真髄・核心のイメージでしょう。ジャケット写真は、髪の毛を編んだようなマスクと、タイトル文字の首飾りです。ビョーク史上、最もクールな写真だと思います。
ビョークの「Who Is It」のPV
Who Is It (フー・イズ・イット)
このアルバムで一番オススメの曲は、「Who Is It」です。どの曲も実験的なので若干推しづらいですが、この曲はメロディが分かりやすいので一番聴きやすいです。PVは、声による演奏ではなくて、ベルによる演奏(シングルに収録)になっています。鈴だらけの衣装が面白いです。その他の曲では、最後を飾る「Triumph of a Heart」も、一番ノリが良いので取っ付きやすいんじゃないでしょうか。
Oceania (オーシャニア)
「Oceania」は、PVが凝っているので紹介します。深海のような闇の中で、顔に細かいパーツがびっしり付いたビョークが強烈です。2004年のアテネ・オリンピックの開会式イベントで、ビョークはこの曲を歌いました。内容的には、人間の声の動きが興味深いです。PVを担当したリン・フォックス監督(Lynn Fox)は、「Desired Constellation」の他、過去にPVが作られなかった「Unravel」や「Pluto」などの映像も製作しました。
Mouth's Cradle (マウス・クレイドル)
「Mouth's Cradle」は、聖歌隊のコーラスが効果的に使われています。タイトルの意味は「口のゆりかご」です。このアルバムは声を駆使した複雑な構成の曲が多いので、ヘッドホンで聴くと、より凄さが伝わると思います。
ビョークの「Oceania」のPV
1Pleasure Is All Mine--
2Show Me Forgiveness--
3Where Is the Line-PV
4Vökuró--
5Öll Birtan--
6Who Is ItSPV
7Submarine--
8Desired Constellation-PV
9Oceania-PV
10Sonnets / Unrealities XI--
11Ancestors--
12Mouth's Cradle--
13Miðvikudags--
14Triumph of a HeartSPV

2007年

ビョークのアルバム「Volta」(ヴォルタ)
(ヴォルタ)
第6作目は、低音部が効いたエネルギッシュなアルバムです。アフリカンなどのエスニックな曲からロックな曲まであり、多彩でテンション高めの内容になっています。タイトルは、電池を発明したヴォルタから来ています。エネルギーを溜め込んだイメージでしょう。ジャケットは、でかい足の果物ロボットに入ったビョークで、背景は真っ赤です。かなりシュールなデザインで、カラフルさがこのアルバムの特徴になっています。内ジャケットには、他の惑星の民族衣装みたいなビョークの写真があり、こちらもかなりカッコいいのでオススメです。(「ギャラリー」のページで紹介しています)
ビョークの「Earth Intruders」のPV
The Dull Flame of Desire (ザ・ダル・フレイム・オブ・デザイア)
このアルバムで一番オススメの曲は、「The Dull Flame of Desire」です。アンドレイ・タルコフスキー監督(Andrei Tarkovsky)の映画「ストーカー」(原題:Stalker)で引用されてたロシア語の詩を、英訳して歌詞にした曲です。アントニー・へガティ(Antony Hegarty)というイギリス人歌手(女性から男性に性転換し、現在は改名してアノーニ)とのデュエットです。静謐な管楽器の演奏で、徐々にボルテージが上がっていく展開が素晴らしいです。PVは、短縮版の三幕構成で、光の粒の顔→白黒映像の顔→闇に浮かぶ顔になっています。全く飾り気のない素のビョークも珍しいですが、眼力があって美しいです。アントニーとは、「My Juvenile」と、「Vulnicura」の「Atom Dance」(かなり特殊な構成なので、違う意味で必聴)でもデュエットしています。
Wanderlust (ワンダーラスト)
「Wanderlust」は、「この港から旅立つ」という歌詞で始まるので、港のような音がイントロになっています。ポップで強い勢いがある曲です。ビョーク曰く、アルバムの心臓だそうです。PVは、クレイアニメみたいな質感で、3D映像で作られています。内容はビョークの川下りですが、おぶった人形(?)と格闘したりで、一般ピーポーにはちょっと理解が追いつきません。
Declare Independence (デクレア・インディペンデンス)
「Declare Independence」は、ビョーク史上、最もアグレッシブな曲です。PVが面白いので紹介します。大掛かりな特殊装置をわざわざ作っていて、かなりシュールです。曲の盛り上がりと共に色々と変化していく所が良いです。ちなみに、中国でのライブで歌った時に、独立をテーマにしたこの曲の中でチベットを連呼したせいで、大変物議を醸したそうです。
ビョークの「The Dull Flame of Desire」のPV
1Earth IntrudersSPV
2WanderlustSPVPV(3D)
3The Dull Flame of DesireSPV
4InnocenceSPV
5I See Who You Are--
6Vertebræ by Vertebræ--
7Pneumonia--
8Hope--
9Declare IndependenceSPV
10My Juvenile--
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