2020年代のビョーク

20年代のアルバムは、「Fossora」(フォソーラ)です。コロナ禍のロックダウン中に製作され、前作の「Utopia」から5年ぶりとなる新アルバムとなります。

2022年

ビョークのアルバム「Fossora」(フォソーラ)
(フォソーラ)
第10作目は、前作が天なら今作は地ということで、大地やキノコがイメージだそうです。タイトルは、地を「掘る女」(diggerのラテン語を女性化した造語)になりました。ジャケット写真は、地に足をつけた腐海の女王みたいです。地面にある菌類の集合体(?)は、Björkの形になっています。今作のフォントは、かなり独特です。音楽的には、電子音が控えめで生楽器と人間の声が中心なので、デジタルからアナログ寄りになっています。ガバなどの重低音が効いた曲が要所要所に入ってアクセントになり、雑多で起伏がある作品です。左右を活かした音の配置・構成が素晴らしいので、ヘッドホンを推奨します。
ビョークの「Atopos」のMV
Fossora (フォソーラ)
このアルバムで一番オススメの曲は、「Fossora」です。インドネシア人デュオのガバ・モーダス・オペランディ(Gabber Modus Operandi)のカシミン(Kasimyn)が参加しています。今作の特色であるクラリネットが活用され、ノリが良いです。後半は、菌糸が地中にゴリゴリと根を張るイメージで、猛烈なガバになり、強いインパクトを残します。MVは、菌類が蠢いてサイケデリックです。ちなみに、GMOのイチャン・ハレム(Ican Harem)の声が有る/無いのバージョン違いがあり、初期に作られたCDとカセットは声有り、それ以外は声無しです。
Atopos (アトポス)
リードシングルになった「Atopos」も、後半から低音連打で、ハードなガバになります。タイトルは、ギリシア語で「奇妙な、普通でない」という意味です。MVは、キノコたっぷりで、胞子も舞っています。面白衣装のビョーク、クラリネット6人組、DJカシミンの組み合わせで、シュールさが出てます。音楽に合わせてノリノリで踊るビョークの姿が良いです。MV関連で言うと、「Victimhood」は、ダークな曲が親しみやすいアニメで映像化されていて、印象深いです。
Ancestress (アンセストレス)
「Ancestress」は「女性の先祖」を意味し、神聖な雰囲気の声楽曲「Sorrowful Soil」と並んで、亡くなった母ヒルダ(Hildur)に捧げる歌です。息子のシンドリ(Sindri)がコーラスで参加していて、ビョークの声とうまく調和しています。MVは、野外の葬列を描いたスピリチュアルな映像です。ちなみに、「Her Mother's House」には、娘のイザドラ(Ísadóra)が参加しています。その他、「Allow」ではエミリー・ニコラス(Emilie Nicolas)、「Fungal City」ではサーペントウィズフィート(Serpentwithfeet)と共演し、コラボ曲が多いのも今作の特色の1つです。
ビョークの「Victimhood」のMV
1AtoposSMVMV(RMX)
2OvuleSMVMV(RMX)
3Mycelia--
4Sorrowful Soil-MV
5AncestressSMV
6Fagurt Er í Fjörðum--
7Victimhood-MV
8Allow--
9Fungal City--
10Trölla-Gabba--
11Freefall--
12FossoraSMV
13Her Mother's House--
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