レディー・ガガのライブツアー「The Mayhem Ball」(ザ・メイヘム・ボール)の解説。コーチェラ(Coachella)の「The Art of Personal Chaos」、セットリスト、ナレーションの対訳など。
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The Mayhem Ball
(ザ・メイヘム・ボール)
レディー・ガガは、アルバム毎にライブツアーを開催しています。アルバム「Mayhem」のライブは、2025年4月のアメリカの野外ライブ「コーチェラ」(Coachella)で初披露&生中継され、完成度の高さで大絶賛されました。このページでは、その伝説のライブの様子をまとめています。このライブは、ライブツアー「The Mayhem Ball」の前の、プロモ・ツアー(promotional tour)という位置付けです。
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「Mayhem」を具現化したゴスな世界観で、映画やオペラみたいです。豪華なセットで、弦楽器隊も参加してます。章立ての構成で、各幕に副題付きです。Mistress of Mayhem(メイヘムの女主人)も登場します(写真1枚目)。
【タイトル】
The Art of Personal Chaos (個人的なカオスの芸術) 【第1幕】
Of Velvet and Vice (ベルベットと悪徳の) 【第2幕】
And She Fell into a Gothic Dream (そして彼女は、ゴシックの夢の中に落ちていった) 【第3幕】
The Beautiful Nightmare That Knows Her Name (彼女の名前を知る、美しい悪夢) 【第4幕】
To Wake Her Is to Lose Her (彼女を目覚めさせることは、彼女を失うこと) 【フィナーレ】
Eternal Aria of the Monster Heart (モンスターの心の、永遠の詠唱) |
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タイトル後、監督レディー・ガガ(Directed by Lady Gaga)などのクレジットが表示されます。イントロとして、メイヘムの女主人(赤い映像)とガガ(白い映像)が向かい合う、対話のようなモノローグがあります。(内容は「ナレーション」参照)
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【左】(第1幕開始)
「Bloody Mary」では、大きなタワーの頂点に、赤ドレスで君臨しています。荘厳な幕開けです。 【右】
「Abracadabra」では、MVと同じく「Dance or Die」(踊るか死ぬか)と宣言し、一気に盛り上げていきます。 |
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【左】
「Judas」では、前曲からノンストップで繋げられ、観客のボルテージを上げていきます。 【右】
「Scheiße」では、大きな羽根ペンを使ったパフォーマンスを披露します。 |
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【左】
「Garden of Eden」では、ギターを弾いてパンクな感じです。 【右】
「Poker Face」では、チェス盤が舞台となり、ダンサー達も駒のような配列です。この後、次幕までの間奏として「Abracadabra」(Gesaffelstein Remix)が流れます。 |
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【左】(第2幕開始)
「Perfect Celebrity」では、人骨と一緒に砂に埋まっています。 【右】
「Disease」では、箱の中でドクロ女達がひしめき、メイヘムの女主人との取っ組み合いもあります。 |
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【左】
「Paparazzi」では、MVみたいに金属衣装と松葉杖を使い、白い巨大マントで風に立ち向かって突き進みます。 【右】
「Alejandro」では、MVと同じ感じで、セットの上の階から男達に向かって歌います。 |
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【左】
「The Beast」では、上にある巨大な円形スクリーンに、赤い満月のように映し出されます。 【右】(第3幕開始)
「Killah」では、2本の尻尾(?)が頭に付いたジョーカー風のダンサー達がユニークです。ガガの衣装は、黒い狼になっています。 |
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【左】
「Zombieboy」では、人骨と一緒に陽気にダンスです。 【右】
「Die with a Smile」では、頭蓋骨で装飾されたキーボートが登場します。 |
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【左】
「How Bad Do U Want Me」では、会場が虹色のライティングになり、明るい雰囲気です。 【右】(第4幕開始)
「Shadow of a Man」では、黒い衣装で、クールなダンスです。アウトロで「Kill for Love」も少し歌います。 |
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【左】
「Born This Way」では、ダンサー達と一緒に駆け巡り、最後は一体となります。 【右】
「Shallow」では、ピアノでシンプルに弾き語りし、床が目玉みたいな模様です。 |
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【左】
「Vanish into You」では、観客と触れ合い、黒い花束をもらいました。 【右】(フィナーレ)
「Bad Romance」では、白い衣装で熱唱し、壮大なショーの有終の美を飾りました。 |
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エンディングでは、舞台に全員が集まり、ミュージカルみたいに挨拶して終わります。ダンス、演出、照明などにこだわった渾身のライブを2時間やりぬき、大絶賛されました。
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おまけ1。コーチェラは2週開催され、セットリストは同じです。第1回の「Killah」では、鉄仮面のゲサフェルスタインが出演し、第2回では、ドラマーのドラムソロになりました。ちなみに、バンド・メンバーの名前は、ギター(Ricky Tillo、Tim Stewart)、ベース(Eric Ingram)、ドラム(Tosh Peterson)、キーボード(Brockett Parsons)です。
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おまけ2。気になった人をピックアップ。弦楽器隊は、帽子が芸術点高かったです。ギタリストは、サングラスと角ばった肩で、ヤクザ映画に出てきそうでした。キーボーディストは、360度円形のキーボードに囲まれてます。
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おまけ3。キレキレだったダンスの振り付けは、ニュージーランド出身の女性コリオグラファーのパリス・ゲーベル(Parris Goebel)が担当しました。ガガと一緒に、このライブのクリエイティブ・ディレクションにも参加しています。
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おまけ4。ステージの全景です。左右の巨大モニターに挟まれる形で、中央にセットがあります。中央上部には、大型の円形モニターがあり、可動式です。セットは、舞台デザイナーのエス・デヴリン(Es Devlin)が手がけました。
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おまけ5。「Poker Face」のチェス盤ステージは、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のチェス盤ファッションショー(2005年)へのオマージュです。
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エンターテイメントに満ちたゴージャスなショーで、SNSではガガチェラ(Gagachella)と呼ばれました。コーチェラと同じ内容で、プロモ・ツアーが開催されています。セットリストでは、「Blade of Grass」が「Shallow」の前に追加され、ピアノ弾き語りで2曲やります。
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コーチェラ以降のプロモ・ツアー(メキシコ、ブラジル、シンガポール)では、「Alejandro」の時に、国旗を掲げる演出がありました。ちなみに、ブラジルではコパカバーナ・ビーチで開催され、200万人以上集まり、記録的な動員数になっています。
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【左】
メキシコ。 【中】
ブラジル。 【右】
シンガポール。 |
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劇中では、一部の箇所でナレーションがあり、物語性が演出されています。テーマとしては、「メイヘムの女主人とガガ」が主軸です。このコーナーでは、ナレーションの日本語訳をまとめています。
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2025年7月のラスベガスから、「The Mayhem Ball」の本番ツアーが始まりました。内容は、プロモ・ツアーと同じく「The Art of Personal Chaos」ですが、曲の追加や、衣装・演出・セットの変更で、大きく違うところもあります。このコーナーでは、プロモと本番のセットリストを比較して、違いを紹介します。
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本番のセットでは、プロモの時の上部にあった円形モニターは無くなり、セット全体を広範囲にカバーしたモニターになりました。ちなみに、第4幕は、副題が変更され、Every Chessboard Has Two Queens (全てのチェス盤には、クイーンが2つある)になっています。
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【左】
「Killah」から登場する、かなりでかい頭蓋骨。 【右】
「Shallow」で登場する、三途の河みたいな小船。 |
【プロモのセトリ】 | 【本番のセトリ】 |
【幕毎の解説】
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・Bloody Mary ・Abracadabra ・Judas ・Scheiße ・Garden of Eden ・Poker Face | ・Bloody Mary ・Abracadabra ・Judas ・Aura ・Scheiße ・Garden of Eden ・Poker Face |
【第1幕】は、プロモも本番も同じ流れです。本番では、「Aura」が追加され、「Poker Face」のチェス盤舞台は形状が変更されました。
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・Perfect Celebrity ・Disease ・Paparazzi ・Alejandro ・The Beast | ・Perfect Celebrity ・Disease ・Paparazzi ・LoveGame ・Alejandro ・The Beast |
【第2幕】は、プロモも本番も同じ流れです。本番では、「Paparazzi」のマントが虹色に照らされ、「LoveGame」が追加されました。「The Beast」は、プロモでは後半が映像でしたが、本番ではフルで歌います。
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・Killah ・Zombieboy ・Die with a Smile ・How Bad Do U Want Me | ・Killah ・Zombieboy ・LoveDrug ・Applause ・Just Dance |
【第3幕】は、プロモと本番は大幅に違います。本番では、巨大な頭蓋骨セットが出現します。曲目にも大きな変更が入り、「LoveDrug」、「Applause」、「Just Dance」が追加されました。
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・Shadow of a Man ・Kill for Love ・Born This Way ・Blade of Grass ・Shallow ・Vanish into You | ・Shadow of a Man ・Kill for Love ・Summerboy ・Born This Way ・Million Reasons ・Shallow ・Die with a Smile ・Vanish into You |
【第4幕】は、プロモも本番も同じ感じの流れですが、追加や変更点も多いです。本番では、「Summerboy」が追加されました。もう1つの追加曲の「Million Reasons」ではメイヘムの女主人と対峙し、「Shallow」では一緒に船出します。ピアノの弾き語り曲は、「Die with a Smile」になりました。
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・Bad Romance | ・Bad Romance ・How Bad Do U Want Me ・エンディング曲 |
【フィナーレ】は、プロモも本番も同じ流れです。本番では、アンコールで「How Bad Do U Want Me」があり、舞台終了後の姿で演奏されます。アンコール後には、エンディング曲が流れます。公演によって曲が変わり、「Artpop」や「Born This Way」からの曲が使われています。
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The Mayhem Ballに出演したダンサー全員のリストです。何人かは、「Abracadabra」のMVにも出演してました。日本人のタカシマ・アミとアイシャもいます。
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