trfの第1期
「GOING 2 DANCE」から「寒い夜だから…」までの初期の活動。クラブ向けテクノを重視してデビューしたtrfが、曲調を変えて一般にも受け入れられていきます。時間にしてたったの1年ですが、かなり濃い内容です。
シングル
|
GOING 2 DANCE
(ゴーイング・トゥ・ダンス)
|
1993年2月発売。trfの記念すべきデビュー作です。アルバムも同時発売されています。注意点としては、シングル版とリミックス版の2種類あることです。前者が日本語の歌詞で、後者は英語の歌詞になっており、テクノ感は後者の方がかなり強いです。trfのライブでもリミックス版が演奏されるので、リミックス版を強く推奨します。trfが目指したクラブ向けのテクノレイブにぴったりです。リミックス版は、リミックス盤「HYPER TECHNO MIX」やベスト盤「WORKS」に収録されています。MVは、残念ながらありません。B面曲として「OPEN YOUR MIND」があり、アルバム「THIS IS THE TRUTH」にも収録されています。ちなみに、「OPEN YOUR MIND」(リミックス版)のMVは、作られています。内容は、抽象的なイメージで、ダンスもかなりかっこいいです。残念ながら、このバージョンは日本のCDでは手に入りません。アメリカで発売された「OPEN YOUR MIND」のレコードに、「BELTRAM'S OLDSCHOOL DUB MIX」として収録されています。
|
EZ DO DANCE
(イージー・ドゥ・ダンス)
|
1993年6月発売。trfの代表曲にして最高傑作の1つです。しっかりしたテクノでありながら、一般にも受けるノリの良さがあり、2作目にして早速ヒットとなりました。KOOのラップもキレがあります。ちなみに、このジャケット写真を見ると「なんか人数多くない?誰?」となりますが、trfはもともと、YU-KIとKOOと、MEGAMIX(メガミックス)というダンスグループの融合でした。MEGAMIXは、男5人+女3人の計8人で、これらのメンバーが写真に映っています(詳細は「ギャラリー」のページ参照)。合計10人で活動したのは初期だけで、その後はダンサー5人が抜けてSAMとCHIHARUとETSUの3人が残り、trfは計5人のグループになりました。MVは、セクシーな衣装のYU-KIをメインにして、白を基調とした爽やかさがあります。ダンサー陣は、影絵でキレのあるダンスを披露しています。映像でも分かる通り、踊っているのはMEGAMIXの8人です。2023年に、30周年記念のリミックス版が配信されました。
|
Silver and Gold dance
(シルバー・アンド・ゴールド・ダンス)
|
1993年11月発売。「愛がもう少し欲しいよ」と合わせて、シングル2枚を同時に出すという企画です。少しゆっくりめのテクノという感じで、「アラビアンナイト」にインスパイアされた大人な雰囲気の歌詞です。注意点としては、シングル版とリミックス版の2種類あることです。前者が日本語の歌詞で、後者は英語の歌詞になっており、テクノ感は後者の方がかなり強いので、リミックス版を強く推奨します。リミックス版は、リミックス盤「HYPER MIX 3」に収録されています。MVも、シングル版とリミックス版の2種類が作られています。リミックス版は、映画「ブレードランナー」にインスパイアされた異国SF感満載の映像で、オススメです。「GOING 2 DANCE」(リミックス版)→「EZ DO DANCE」→「Silver and Gold dance」(リミックス版)という流れで聴けば、レイブ・ファクトリーの名に恥じない初期trfのダンスミュージックを存分に楽しむことができます。B面曲として「Winter Grooves」があり、アルバム「WORLD GROOVE」にも収録されています。
|
愛がもう少し欲しいよ
(あいがもうすこしほしいよ)
|
1993年11月発売。「Silver and Gold dance」と同時に出ました。テクノから離れて少しゆったりめの曲調です。メロディが美しく、サックスも効いています。個人的には好きな作品なのですが、テレビでもライブでも歌われない不遇な扱いになっています。知名度が低くて影が薄いですが、良い曲なので、みなさん聴きましょう。先述のハードなテクノ3曲の後に聴くと、ホッと一息つけます。MVは、林や草原の中の柔らかい映像で、穏やかな感じです。B面曲として「Xmas dance wiz U」があり、アルバムには未収録です。
|
寒い夜だから…
(さむいよるだから…)
|
1993年12月発売。trfの代表曲の1つであり、ウィンターソングとしても素晴らしい作品です。クラブ向けのテクノ音楽を指向して結成されたtrfですが、この曲のヒットで一般への認知度も急上昇し、次作からのミリオンヒット連発への足がかりを作りました。「愛がもう少し欲しいよ」と一緒に、テクノの後に聴くと、ちょうどいいブレイクになります。MVは、なぜか2種類作られています。アメリカの街中で歌っているもの(1993年版)と、ロウソクの中で歌っているもの(1994年版)です。
アルバム
|
THIS IS THE TRUTH
(ディス・イズ・ザ・トゥルース)
|
1993年2月発売。「GOING 2 DANCE」が含まれたアルバム。デビューシングルと同時に発売されました。非常にテクノ感が強く、英語歌詞の曲も多いので、まるで洋楽です。「DO WHAT YOU WANT」や「TRUTH」などの穏やかな曲もあります。粒揃いな印象で、良質な内容と言っていいでしょう。上記以外で、このアルバムでオススメの曲は、「Time after Time」と「RIGHT HERE! RIGHT NOW!」です。どちらも特殊な展開が面白いです。
|
EZ DO DANCE
(イージー・ドゥ・ダンス)
|
1993年7月発売。「EZ DO DANCE」が含まれたアルバム。前作同様、テクノ感が強い内容です。英語歌詞の「EZ DO DANCE (UK DANCE VERSION)」は、長めのイントロで、日本語版とはかなり印象が違います。このアルバムでオススメの曲は、「ISLAND ON YOUR MIND」です。YU-KIパート、KOOパート、皆で歌うパートなど、構成が工夫されています。
|
WORLD GROOVE
(ワールド・グルーブ)
|
1994年2月発売。「Silver and Gold dance」、「愛がもう少し欲しいよ」、「寒い夜だから…」が含まれたアルバム。バラエティ豊かな内容で、第1期のアルバムの中では一番オススメの傑作です。英語歌詞でゴリゴリのダンス曲の「Feel the CENTURY」や「Beauty and Beast」、軽快でノリが良いウィンターソングの「Winter Grooves」、ユニークな構成でグルーブ感たっぷりの「WORLD GROOVE 3rd.chapter」などを聴くことができます。MVも2曲出すという大盤振る舞いで、アジアと自然を感じさせる映像の「WORLD GROOVE」と、ダンサー陣の強烈技巧を堪能できる「Feel the CENTURY」です。